2023年09月02日(土)
” Puff, The Magic Dragon”
昔々のその昔 不思議な島がありました
そこに住んでた魔法の竜 その名をパフと言いました
10年ほど前の家族キャンプ。
あるお父さんが最終日の食後、皆で”パフ”を歌っている時に静かに涙を流していました。
これは親と子を歌った唄なんですね
子はいつか親元を離れて旅に出る
その時を思うと嬉しくて
寂しくて涙が出てきました
と、優しい笑顔で話してくれました。
名前は知らぬが一人の子 パフを優しい父として
楽しく仲良く二人して毎日元気に遊んでた
子どもたちの”旅”は その子の”旅”であり
親であってもずっと一緒にいることはできない
今できることをたくさんしてやりたい
そしてその時がきたら
しっかりと見送りたい
そんな暖かな愛情を感じました
余島日記:"旅立つ者" "見送る者"
そうしたある日 船に乗り二人は海に飛び出した
優しく強いパフの背で子どもは遠くを眺めてた
この夏も親元を離れて多くの子どもたちがやってきました
きっと彼ら彼女らにとっても
また、親御さんにとっても
大冒険だったのではないでしょうか
子どもたちは
海も森も
電気があっても なくても
晴れの日も 台風の日も
お構いなしでした
余島日記:"信じて待つ" 長期少年キャンプ8/11
長い航路の道すがら たくさん見知らぬものに会い
見るもの全て子どもの目 捉えてはなさぬものとした
大人の目には煩わしさばかりが際立ちますが
子どもたちの目にはどんなことも
輝いて映り いつも心が躍り
身体が先に動き出していました
そんな子らの色とりどりの世界を
大人が上塗りしないこと
海がどんな色でもいい
太陽がどこにあったっていい
子らの書く世界に簡単に踏み込んではいけない
子らが自由に描くキャンバスを見て
そう願いました
パフはいつでも変わらぬが 子どもは大きくなっていき
いつしかパフから遠ざかり 一人どこかへ消え去った
色鮮やかな世界は広がり
海を越えて見てみたい
あっちの世界はどんなだろうと
たまらなくなって走り出す
たった3日間
長くても10日ちょっとのキャンプでさえ
子どもたちはいろんな姿を見せてくれました
”キャンプの良さは終わること”
そして、この夏ある元幼稚園の園長に言われたことは
”幼稚園とキャンプの良さは親の目が届かないところなんや”
その通りだ。
子の全てを知りたいことは愛情ではなく
自分の不安を埋めるため
そうなってしまうと
子どもであっても弁(わきま)える
そんなことはさせてはならない
親の目の届かない場所に
どれだけの世界が広がっているか
想像が容易いから
心の友をなくしたパフ大きな涙を目に浮かべ
来る日も来る日も泣き明かし やがて祠へ身を閉じた
友との別れは寂しく
ぽっかりと大きな穴が空いたとしても
悲しむことはない
多くの人に出逢い
育ち、育てられていくだろう子らの旅路の行く末を
喜べる大人でありたい
余島日記:不完全な大人であれ シーカヤック
昔々のその昔 不思議な島がありました
そこに住んでた魔法の竜 その名をパフと言いました
瀬戸内海の不思議な島も
2024年度へ襷が渡されました。
8/31 ずっと続く大切な日
撤収キャンプを終えて帰神、閉会礼拝を経て
次年度へのスタートが切られる日。
そうやって話してくれたのは閉会礼拝の奨励を担ってくださった井上総主事。
2023年度の会長から2024年度の会長へ
重荷と期待を背負って
名前を発表する前から心が震える新会長
”大丈夫 一人で泣かなくてもいい”
”皆で一緒に背負えばいい”
74年目は一人ではなく
仲間と捲る一頁
余島日記:(8/19追記)Camp Duty デイトリップ アイランダース
余島リーダー会は一足お先に2024年度のスタートを切りました
やるべきことは山積みで楽ではないですが
また一歩、淡々と歩んで行きたいと思います。
心地良い足音を響かせながら。
みんな、また島で会えることを楽しみにしてるで
どんなことも笑ってすませられる君たちは素晴らしい。
また一緒に旅をしよう!
余島キャンプ長
山本亮司
<余島日記編集後記2023>
この夏は煩わしい夏でした。
簡単に子どもたちの世界に土足で踏み込んでくる人が多すぎる。
余島日記についても例年より多くの反響があり、ご意見や感想を伺いしました。
昨年の余島日記が一人歩きし、受取り手の中で脚色されているのではないか。
むしろ勘違いさせる一助となっていないか。
このままではいけないと
今年はこれまではとは違う角度と表現で発信をすると決めたのはキャンプ募集開始の頃。
「”◯◯”はよかった」
「わかりやすかった」
「自己満足だ」
「不愉快です」等々。
キャンプ中に寄せられる様々なご意見。
余島日記は安否確認のためではないから
これまでも これからも
”見送る者”や蚊帳の外の快/不快には一切 迎合しません。
余島日記は各地にいる"仲間"と、これから”旅立つ”子どもたちと若者たちの先に宛てたもの。
数年、10数年経った時に
朧げな記憶の中に残っているものがある
あの時、起きていたことは幻ではなく
確かにあったんだと
奇跡の様な連鎖の中で
不思議な島は存在していたのだと
その時の彼ら彼女たちの標(しるべ)となるように。
来年も、10数年先も
その時、どうなっているかなんて誰にもわからない
いつまでも同じものはなく
いつまでも続くこともない
当たり前を維持することは困難であり
そのことは誰もが知っている
だから僕は精一杯やるべきことをし
余島日記を文(ふみ)として書き綴る
余島日記:”終わりを知る” 余島長期少年キャンプFINISH!
最後になりましたが、信頼し子どもたちを送り出してくださった皆様、余島日記と共に夏を守ってくださった皆様、ボランティアに行っておいでと送り出してくださった皆様に感謝いたします。
また、今までありがとうございました。
来年は頼もしい仲間たちが引き受けてくれました。
変化を強いられる社会ではありますが
これからも変わらぬ応援をお願いします。
余島のサポートはこちらから。
山本